Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 144,106 characters · 292 screens
「さア」
「土蔵の中じゃないし、――店先じゃ誰の眼にもつく、裏の物置だろう、来い」
「ヘエ」
平次と八五郎について、佐五兵衛も米吉も裏へ出ました。
物置は二間に二間半、中はガラクタと炭俵だけで、何の変哲もなく、嘗めるように見ましたが、金の茶釜などはどこにもありません。
「親分」
八五郎はソロソロ心配になりました。
「心配するな、日本国中、どこへも行きようのない茶釜だ」
平次はお勝手から、土蔵の軒下から、およそ人の目の届かないところを悉く見ました。が、金の茶釜はまだ出て来ません。
「親分、どうしたことでしょう」
佐五兵衛はそろそろ皮肉な調子になりました。
「旦那、――銭形の親分さんだ、見込んだ仕事に外れのあるわけはありません。百両の金を用意しましょうか」
米吉までがこんな事を言うのです。
「そうしてくれ」
と鷹揚にうなずく佐五兵衛。
「八、解った」
平次はいきなり歓声をあげます。
「どこ、親分」
「あの井戸の中だ、覗いてみるがいい」
「…………」
土蔵の側、潮が差して使えない古井戸に、腐りかけた蓋をしたのを平次は見付けたのです。
飛出した八五郎、蓋を払って覗くと、
「あった、親分」