Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 144,106 characters · 292 screens
「何という事をする」
平次は必死と智恵を絞りますが、一挙に二十幾人の命を救う工夫は浮びそうもなかったのです。
油と燃え草を用意した火攻めで、火の廻りの早いために土地の鳶の者も未だ来ません。いっそ、一と思いに飛降りて、一と太刀斬られながらも、女どもの命を助けようか――平次はついそんな事を考えて欄干に足をかけました。
「親分、飛降りちゃいけねえ」
いつの間にやって来たか、ガラッ八の八五郎の声です。
「野郎ッ」
振り返って斬下げる玄道の刃を潜ると、ガラッ八は後ろからむずと組付きました。名代の金剛力です。
「八、離すなッ」
「おッ」
揉み合う真ん中へ、平次は身軽に飛降りたことは言うまでもありません。
「御用ッ」
二人力を併せると、玄道の刀などは物の数でもありません。押えて縛る間に、二階のお品は自分の縄を解いて貰って、焔に背を焦がされながらも、二十幾人の女を順々に下へ降ろしました。
*
「親分、祈祷所へ行きましょうか」
「無駄かも知れないが、行ってみよう」
平次とガラッ八は、ちょうど駆け付けた利助の子分に縄付の玄道を任せて、元町の祈祷所に向いました。
表の戸は開け放ったまま、飛込んでみると――、