Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 144,106 characters · 292 screens
「知ってますよ、親分、――親が病気で身を売らなきゃならない――とか、主人の金を五十両落っことした――とか、泣きながら、恐ろしく色っぽく持ちかけるでしょう。あれが術なんで、へッへッへッ」
「…………」
「こちとらがやったんじゃ、お笑い草だ。ブランコの足を引っ張られるか、川へ突き落されるのが関の山だが、――若くて綺麗な新造はトクだね、親分。十人が十人、有金引っ叩かせられて、娘がいやがるのも構わず、ここまで送って来る、――それから翌る日知らん顔をしてここへやって来て、娘の身許を訊くとね、――筋書は大抵決ったものさ」
「…………」
「ね、親分、悪いことは言わねえ、黙って帰んなさい、荒立てると恥を大きくするばかりだ。あのお秋という娘は、虫も殺さねえ顔をしているが、海千山千の、下っ腹に毛のねえエテ物さ。丑松は飴屋崩れの凄い男で、お徳はその上を行く塩っ辛い大年増だ。四つに組んでもトクのいく代物じゃねえ。屑屋を渡世の俺でさえ、あの三人はよけて通ることにしているのさ」
「…………」
ガラッ八の八五郎も、正に一言もありません。身投げ渡世の女を救って、五両一分二朱騙られたとは、さすがに言うわけにも行かなかったのです。