Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
いもむしごろごろ
「へんだぞ。あいつ、やっぱり化けものだったかな。」
のっぽの初こうは、腕ぐみをしたままひとりごとをいいました。
「いや、そんなはずはない。きっと、どっかにかくれている。待てよ。どうしても、あのおしいれの中があやしいわい。」
そういって、もういちどおしいれをしらべました。こんどは、さがっている服をひとつひとつ、手でさわってみるのです。
ポケット小僧は、もう運のつきだと思いました。
いもむしごろごろ
ポケット小僧は、大外套のポケットに両足をいれ、外套にとりすがって息をころしていました。のっぽの初こうは、おしいれのすみのほうから、ひとつひとつ服にさわりながら、こちらへ近づいてきます。
もう三つめまできました。もう二つめです。ああ、もうとなりまできました。こんどは外套のばんです。
初こうの長い手が、外套のえりのへんから、だんだん下へおりてきました。その手が、ポケット小僧の頭にさわりました。
まだ気がつきません。
長い手が、ポケット小僧の顔をなで、首から胸にさがってきました。
「うッ。」という、おしころした声が、聞こえました。
とうとう気がついたようです。
ポケット小僧は、外套のポケットから足をぬきだして、ヒョイと、おしいれの床に、とびおりました。