Japanische Klassiker mit Furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme
むしろ一家を借り受けて二、三十人の壮士を一団となし置くこそ上策なれとの説も出でしが、かくては警察の目を免れ得じとて、妾の発意にて山本憲氏に議り、同氏の塾生として一家を借り受け、これをば梅清処塾の分室と称しぬ。それより妾は俄に世話女房気取りとなり、一人の同志を伴いて、台所道具や種々の家具を求め来り、自炊に慣れし壮士をして、代る代る炊事を執らしめ、表面は読書に余念なきが如くに装わせつつ、同志窃かに此処に集いては第二の計画を建て、磯山逃奔すとも争で志士の志の屈すべきや、一日も早く渡韓費を調えて出立の準備をなすに如かずと、日夜肝胆を砕くこと十数日、血気の壮士らのやや倦厭の状あるを察しければ、ある時は珍しき肴を携えて、彼らを訪い、ある時は妾炊事を自らして婦女の天職を味わい、あるいは味噌漉を提げて豆腐屋に通い、またある時は米屋の借金のいい訳は婦人に限るなど、唆かされて詫びに行き、存外口籠りて赤面したる事もあり。凡そ大阪にて無一文の時二、三十人の壮士をして無賃宿泊の訴えを免れしめ、梅清処塾の書生として事なく三週間ばかりを消過せしめしは男子よりはむしろ妾の力与りて功ありしならんと信ず。