Japanische Klassiker mit Furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme
二 貧書生
アア妾もまた不幸落魄の身なり、不徳不義なる日本紳士の中に立ち交らんよりは、知らぬ他郷こそ恋しけれといいけるに、彼は忽ち活々しく、さらば自分と同行するの意はなきや、幸い十年足らずかの地に遊学せし身なれば、かの地の事情に精通せりなど、真心より打ち出されて、遠き沙漠の旅路に清き泉を得たらんが如く、嬉しさ慕わしさの余りより、その後数相会しては、身にしみじみと世の果敢なさを語り語らるる交情となりぬ。ある日彼は改めて御身にさえ異存なくば、この際結婚してさて渡航の準備に着手せんといい出でぬ。妾も心中この人ならばと思い定めたる折柄とて、直ちに承諾の旨を答え、いよいよ結婚の約を結びて、母上にも事情を告げ、彼も公然その友人らに披露して、それより同棲することとなり、一時睦まじき家庭を造りぬ。
二 貧書生
その頃の新聞紙上には、豪農の息子景山英と結婚すなどの記事も見えけるが、その実福田友作は着のみ着のままの貧書生たりしなり。彼は帰朝以来、今のいわゆるハイカラーなりしかば、有志といえる偽豪傑連よりは、酒色を以て誘われ、その高利の借金に対する証人または連借人たる事を承諾せしめられ、果は数万の借財を負いて両親に譴責せられ、今は家に帰るを厭いおる時なりき。