Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わらわのはんせいがい

妾の半生涯

福田 英子

Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

七 女乞食

、アア富井女史だにあらばなどと、またしても遣る瀬なき思いに悶えて、ある時詠み出でし腰折一首

かくまでに濁るもうしや飛鳥川

そも源をただせ汲む人

七 女乞食

愁いの糸のいとど払いがたかりしある日の事なり、八軒屋の旅宿にありて、ただ一人二階なる居間の障子を打ち開き、階下に集える塵取船を眺めたりしに、女乞食の二、三歳なる小供を負いたるが、頻りに塵の中より紙屑を拾い出し、これをば籠に入れ居たり。背なる小供は母の背に屈まりたるに、胸を押されて、その苦しさに堪えずやありけん、今にも窒息せんばかりなる声を出して、泣き叫びけれども、母は聞えぬ体にて、なお余念なく漁り尽し、果ては魚の腹腸、鳥の臓腑様の物など拾い取りてこれを洗い、また料理する様のいじらしさに、妾は思わず歎息して、アアさても人の世はかばかり悲惨のものなりけるか、妾貧しけれども、なおこの乞食には優るべし、思えば気の毒の母よ子よと惻隠の心禁めがたくて、覚えず階上より声をかけつつ、妾には当時大金なりける五十銭紙幣に重錘をつけて投げ与えけるに、彼女は何物が天より降り来りしとように驚きつつ、拾いとりてまた暫し躊躇いたり。