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Japanische Klassiker mit Furigana

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わらわのはんせいがい

妾の半生涯

福田 英子

Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

三 児の入籍

中の事実、即ち「禹江を渡る時、蛟竜船を追う、舟中の人皆慴る、禹天を仰いで、嘆じて曰く、我命を天に享く、力を尽して、万民を労す、生は寄なり、死は帰なりと、竜を見る事、蜿の如く、眼色変ぜず、竜首を俯し尾を垂れて、遁る。」といえる有様の歴々と目前に現われ、しかも妾は禹の位置に立ちて、禹の言葉を口に誦し、竜をして遂に辟易せしめぬ。しかるに分娩の際は非常なる難産にして苦悶二昼夜にわたり、医師の手術によらずば、分娩覚束なしなど人々立ち騒げる折しも、あたかも陣痛起りて、それと同時に大雨篠を乱しかけ、鳴神おどろおどろしく、はためき渡りたるその刹那に、児の初声は挙りて、さしも盆を覆さんばかりの大雨も忽ちにして霽れ上りぬ。後にて書生の語る所によれば、その日雨の降りしきれる時、世にいう竜まきなるものありて、その蛇の如き細き長き物の天上するを見たりきという。妾は児の重ね重ね竜に縁あるを奇として、それに因める名をば命けつ、生い先の幸多かれと祷れるなりき。

三 児の入籍

児を分娩すると同時に、またも一の苦悶は出で来りぬ。そは重井と公然の夫婦ならねば、児の籍をば如何にせんとの事なりき。