Japanische Klassiker mit Furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme
第八 出獄
一 令嬢の手前
二 大阪の大歓迎
第八 出獄
一 令嬢の手前
旅館には既にそれぞれの用意ありし事とて、実に涙がこぼれるほどの待遇なり。夜はまた当地有志者の慰労会ありとて、その地の有名なる料理亭に招待せられ、翌日は釜をかけるとてある人より特に招かれたれば、午後より其処に至りしに、令嬢の手前にて、薄茶のもてなしあり。更に自分にも一服との所望ありしかば、妾は覚束なき平手まえを立ておわりぬ。貧家にこそ生い立ちたれ、母上の慈悲にて、聊かながらかかる業をも習い覚えしなりき。さなくば面目を失わんになど、今更の如く親の恩を思えるもおかし。爾来かかる事に思わぬ日を経て、遂に同地の有志者長井氏克氏らに送られつつ、鈴鹿峠に至り、それより徒歩あるいは汽車にて大阪に出づるの途中、植木枝盛氏の出迎えあり、妾に美しき薔薇花の花束を贈らる、一同へもそれぞれの贈り物あり。
二 大阪の大歓迎
大阪梅田停車場に着きけるに、出迎えの人々実に狂するばかり、我々同志の無事出獄を祝して万歳の声天地も震うばかりなり。停車場に着くや否や、諸有志のわれも花束を贈らんとて互いに先を争う中に、なつかしや、七年前別れ参らせし父上が、病後衰弱の身をも厭わせられず、親類の者に扶けられつつ、ここに来り居まさんとは。