Japanische Klassiker mit Furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme
三 空想に耽る
四 獄吏の真相
三 空想に耽る
かく妾は入獄中毎日読書に耽りしとはいえ、自由の身ならば新著の書籍を差し入れもらいて、大いに学術の研究も出来たるならんに、漢籍は『論語』『大学』位その他は『原人論』とか、『聖書』とかの宗教の書を許可せられしのみなりければ、ある時は英学を独習せんことを思い立ち、少しく西洋人に学びしことあるを基として、日々勉励したりしかど、やはり堂に昇らずして止みたるは恥かしき次第なり。在獄中に出獄せば如何にせん志を達せばかくなさんと、種々の空想に耽りしも、出獄間もなくその空想は全く仇となり、失望の極われとはなしに堕落して、半生を夢と過ごしたることの口惜しさよ。せめては今後を人間らしう送らんとの念はかく懺悔の隙もいと切なり。
四 獄吏の真相
妾が在獄中別に悲しと思いし事もなく浮かと日を明かし暮らせしも無理ならず。功名心に熱したる当時の事なれば、毎日署長看守長、さては看守らの来りては種々の事どもを話しかけられ慰められ、また信書を認むる時などには、若き看守の好奇にも監督を名として監房に来りては、楽書などして、妾の赤面するを面白がり、なお本気の沙汰とも覚えぬ振舞に渡りて、妾を弄ばんとするものもあり、中には真実籠めし艶書を贈りて好き返事をと促すもあり、また「君徐世賓たらばわれ奈翁たらん」