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Japanische Klassiker mit Furigana

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わらわのはんせいがい

妾の半生涯

福田 英子

Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

三 藤堂家の老女

妾は固より定役なき身の仮令終日書を伴とすればとて、敢えて拒む者はあらざるも、せめては、婦女の職分をも尽して、世間の誤謬を解かん者と、進んで定役ある女囚と伍し、毎日定役とせる物を仕上げてさて二時間位は罷役より前にわが監房に帰り、読書をなすを例とせり。されば妾出獄の時は相応の工賃を払い渡され、小遣い余りの分のみにてもなお十円以上に上りぬ。これは重禁錮の者は、官に七分を収めて三分を自分の所有とするが例なるに、妾はこれに反して三分を官に収め七分を自分の有となしければ、在監もし長からんには相応の貯蓄も出来て、出獄の上はひとかどの用に立ちしならん。

三 藤堂家の老女

妾の幸福は、何処の獄にありても必ず両三人の同情者を得て陰に陽に庇護せられしことなり。中にも青木女監取締りの如きは妾の倦労を気遣いて毎度菓子を紙に包みて持ち来り、妾の独り読書に耽るをいと羨ましげに見惚れ居たりき。されば妾もこの人をば母とも思いて万事隔てなく交わりければ、出獄の後も忘るる能わず、同女が藤堂伯爵邸の老女となりて、東京に来りし時、妾は直ちに訪れて旧時を語り合い、何とか報恩の道もがなと、千々に心を砕きし後、同女の次女を養い取りて聊か学芸を授けやりぬ。