Japanische Klassiker mit Furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme
三 川上音二郎
ただ貴嬢の振舞を聞きて、直ちに醜婦と思い取れる事の恥かしさよ。わが想像の仇となれるを思うに、凡そ貴嬢を知るほどの者は必ず貴嬢を娶らんと希う者なるべし。さあれ貴嬢にしてもしわが志を酌み給わずば、われは遂に悲哀の淵に沈み果てなん。アア口惜しの有様やとて、ほとんど自失せし様子なりしが、忽ち小刀をポッケットに探りて、妾に投げつけ、また卓子に突き立てて妾を脅迫し、強いて結婚を承諾せしめんとは試みつ。さてこそ遂に狂したれと、妾は急ぎ書生を呼び、好きほどに待遇わしめつつ、座を退きてその後の成行きを窺う中、書生は客を賺し宥めて屋外に誘い、自ら築地なる某教会に送り届けたりき。
三 川上音二郎
これより先、大阪滞在中和歌山市有志の招待を得て、重井と同行する事に決し、畝下熊野(現代議士山口熊野)、小池平一郎、前川虎造の諸氏と共に同地に至り同所有志の発起に係る懇親会に臨みて、重井その他の演説あり。妾にも一場の演説をとの勧め否みがたく、ともかくもして責めを塞ぎ、更に婦人の設立にかかる婦人矯風会に臨みて再び拙き談話を試み、一同と共に撮影しおわりて、前川虎造氏の誘引により和歌の浦を見物し、翌日は田辺という所にて、またも演説会の催しあり、有志者の歓迎と厚き待遇とを受けて大いに面目を施したりき。