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Japanische Klassiker mit Furigana

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わらわのはんせいがい

妾の半生涯

福田 英子

Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

第十一 母となる

一 妊娠

となりすませるなりき。彼はいえり、昔は拝顔さえ叶わざりし宮様方の、勿体なくも御観劇ありし際特に優旨を以て御膝下近くまで御招きに預かり、御言葉を賜わるさえ勿体なきに、なお親しく握手せさせ給えりと、語り来りて彼は随喜の涙に咽び、これも俳優となりたるお蔭なりと誇り顔なり。アア彼もしわれらに親善ならんには彼の成功はなかりしならん、彼の成功は、全く自分の主義を棄て、意気を失いしより得たる賜ものなりけり。さるにても人の心の頼めがたきは実に翻覆手にも似たるかな、昨日の壮士は今日の俳優、妾また何をか言わん。聞く彼は近年細君のお蔭にて大勲位侯爵の幇間となり、上流紳士と称するある一部の歓心を求むる外にまた余念あらずとか。彼もなかなか世渡りの上手なる漢と見えたり。この流の軟腸者豈独り川上のみならんや。

第十一 母となる

一 妊娠

これより先、妾のなお郷地に滞在せし時、葉石との関係につき他より正式の申し込みあり、葉石よりも直接に旧情を温めたき旨申し来るなど、心も心ならざるより、東京なる重井に柬してその承諾を受け、父母にも告げて再び上京の途に就きしは二十二年七月下旬なり。この頃より妾の容体尋常ならず、日を経るに従い胸悪く頻りに嘔吐を催しければ、さてはと心に悟る所あり、出京後重井に打ち明けて、郷里なる両親に謀らんとせしに彼は許さず、暫く