Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
』
正直者の香織は、涙ながらに、臨終に際して、自分の心懸の悪かったことをさんざん詫びるのでした。しばらくして彼女は言葉をつづけました。――
『それでもこちらへ来て、いろいろと神様からおさとしを受けたお蔭で、わたくしの現世の執着も次第に薄らぎ、今では修行も少し積みました。が、それにつれて、日ましに募って来るのは姫さまをお慕い申す心で、こればかりは何うしても我慢がしきれなくなり、幾度神様に、逢わせていただきたいとお依みしたか知れませぬ。でも神さまは、まだ早い早いと仰せられ、なかなかお許しが出ないのでございます。わたくしはあまりのもどかしさに、よくないことと知りながらもツイ神様に喰ってかかり、さんざん悪口を吐いたことがございました。それでも神様の方では、格別お怒りにもならず、内々姫さまのところをお調べになって居られたものと見えまして、今度いよいよ時節が来たとなりますと、御自身で私を案内して、連れて来て下すったのでございます。――姫さま、お願いでございます、これからは、どうぞお側にわたくしを置いてくださいませ。わたくしは、昔のとおり姫さまのお身のまわりのお世話をして上げたいのでございます……。