Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
六十六、三浦を襲った大海嘯
うか。少くとも私の場合にはそうらしく感じられてならないのでございます……。
六十六、三浦を襲った大海嘯
さて只今申上げました不図とした動機というのは、或る年三浦の海岸を襲った大海嘯なのでございました。それはめったにない位の大きな時化で、一時は三浦三崎一帯の人家が全滅しそうに思われたそうでございます。
すると、その頃、諸磯の、或る漁師の妻で、平常から私の事を大へんに尊信してくれている一人の婦人がありました。『小櫻姫にお願いすれば、どんな事でも協えて下さる……。』そう思い込んでいたらしいのでございます。で、いよいよ暴風雨が荒れ出しますと、右の婦人が早速私の墓に駆けつけて一心不乱に祈願しました。――
『このままにして置きますと、三浦の土地は皆流れて了います。小櫻姫さま、何うぞあなた様のお力で、この災難を免れさせて戴きます。この土地でお縋りするのはあなた様より外にはござりませぬ。』
丁度その時私は海の修行場で不相変統一の修行三昧に耽って居りましたので、右の婦人の熱誠こめた祈願がいつになくはっきりと私の胸に通じて来ました。これには私も一と方ならず驚きました。――