Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
七十三、参拝者の種類
七十三、参拝者の種類
神社の参拝者と申しましても、その種類はなかなか沢山でございます。近年は敬神の念が薄らぎました故か、めっきり参拝者の数が減り、又熱心さも薄らいだように感じられますが、昔は大そう真剣な方が多かったものでございます。時勢の変化はこちらから観て居ると実によく判ります。神霊の有るか、無いかもあやふやな人達から、単に形式的に頭を低げてもらいましても、ドーにも致方がございませぬ。神詣でには矢張り真心一つが資本でございます。たとえ神社へは参詣せずとも、熱心に心で念じてくだされば、ちゃんとこちらへ通ずるのでございますから……。
参拝者の中で一ばんに数も多く、又一ばんに美しいのは、矢張り何の註文もなしに、御礼に来らるる方々でございましょう。『毎日安泰に暮させていただきまして誠に難有うございます。何卒明日も無事息災に過せますよう……。』昔はこんなあっさりしたのが大そう多かったものでございます。殊に私が神に祀られました当座は、海嘯で助けられた御礼詣りの人々で賑いました。無論あの海嘯で相当沢山の人命が亡びたのでございますが、心掛の良い遺族は決して恨みがましいことを申さず、死ぬのも皆寿命であるとあきらめて、心から御礼を述べてくれるのでした。