Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
三十、永遠の愛
『それは飛んでもない面白い話じゃ。ドーもそなたの方が俺よりも資格がずっと上らしいぞ。俺の方が一向ぼんやりしているのに、そなたはいろいろ不思議なことをしている……。』と言って、大そう私を羨ましがりました。私も少し気の毒気味になり、『すべては霊魂の関係から役目が異うだけのもので、別に上下の差がある訳ではないでしょう。』と慰めて置きました。
私達はあまり対話に身が入って、すっかり時刻の経つのも忘れていましたが、不図気がついて見ると何処へ行かれたか、二人の神さん達の姿はその辺に見当らないのでした。
私達は期せずして互に眼と眼を見合わせました。
三十、永遠の愛
思い切って私はここに懺悔しますが、四辺に神さん達の眼が見張っていないと感付いた時に、私の心が急にむらむらとあらぬ方向へ引きづられて行ったことは事実でございます。
『久しぶりでめぐり合った夫婦の仲だもの、せめて手の先尖位は触れても見たい……。』
私の胸はそうした考えで、一ぱいに張りつめられて了いました。
物堅い良人の方でも、うわべはしきりに耐え耐えて居りながら、頭脳の内部は矢張りありし昔の幻影で充ち充ちているのがよく判るのでした。