Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
十一、守刀
が、不思議なもので、だんだん修行が積むにつれて、ドーやら情念の発作を打消して行くのが上手になるようでございます。それがつまり向上なのでございましょうかしら……。
十一、守刀
躯がなくなって、こちらの世界に引移って来ても、現世の執着が容易に除れるものでない事は、すでに申上げましたが、序でにモー少しここで自分の罪過を申上げて置くことに致しましょう。口頭ですっかり悟ったようなことを申すのは何でもありませぬが、実地に当って見ると思いの外に心の垢の多いのが人間の常でございます。私も時々こちらの世界で、現世生活中に大へん名高かった方々にお逢いすることがございますが、そうきれいに魂が磨かれた方ばかりも見当りませぬ。『あんな名僧知識と謳われた方がまだこんな薄暗い境涯に居るのかしら……。』時々意外に感ずるような場合もあるのでございます。
さてお約束の懺悔でございますが、私にとりて、何より身にしみているのを一つお話し致しましょう。それは私の守刀の物語でございます。忘れもしませぬ、それは私が三浦家へ嫁入りする折のことでございました、母は一振りの懐剣を私に手渡し、
『これは由緒ある御方から母が拝領の懐剣であるが、そなたの一生の慶事の紀念に、守刀としてお譲りします。