Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

それからどれ位経った時でございましょうか、ある日俄かに私の眼の前に、一道の光明がさながら洪水のように、どっと押し寄せてまいりました。一たんは、はっと愕きましたが、それが何かのお通報であろうと気がついて心を落ちつけますと、つづいて瀑布の方向に当って、耳がつぶれるばかりの異様の物音がひびきます。

私は直ちに統一を止めて、急いで滝壺の上に走り出て見ますと、果してそこには一体の白竜……爛々と輝く両眼、すっくと突き出された二本の大きな角、銀をあざむく鱗、鋒を植えたような沢山の牙……胴の周囲は二尺位、身長は三間余り……そう言った大きな、神々しいお姿が、どっと落ち来る飛沫を全身に浴びつつ、いかにも悠々たる態度で、巌角を伝わって、上へ上へと攀じ登って行かれる……。

眼のあたり、斯うした荘厳無比の光景に接した私は、感極りて言葉も出でず、覚えず両手を合わせて、その場に立ち尽したことでございました。

私は前にも幾度か竜体を目撃して居りますが、この時ほど間近く見、この時ほど立派なお姿を拝んだことはございませぬ。その時の光景はとても私の拙い言葉で尽すことはできませぬ。何卒然るべくお察しをお願いします……。