Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
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『あれあれ薄い鼠色の男の竜神さんが、大きな口を開けて、二本の角を振り立てて、雲の中をひどい勢で駆けて行かれる……。』
『それが先刻爰に見えた、あの若者なのじゃ。』
『あれ、向うの峰を掠めて、白い、大きな竜神さんが、眼にもとまらぬ迅さで横に飛んで行かれる……あの凄い眼の色……。』
『それが雷の竜神の一人じゃ。力量はこの方が一段も二段も上じゃ……。』
『あれ、雨の竜神さんが、こちらを向いて、何やら相図をして向うの方に飛んで行かれます……。』
『それは、そろそろ雨を切上げる相図をしているのじゃ。もう間もなく雨も雷も止むであろう……。』
果して間もなく雷雨は、拭うが如く止み、山の上は晴れた、穏かな最初の景色に戻りました。私は夢から覚めたような気分で、しばらくは言葉もきけませんでした。
ややありて私は瀑布の竜神さんに向い、今日見せられた事柄に就いていろいろお訊ねしましたが、いかに訊ねても訊ねても矢張り私の器だけのことしか判る筈もなく、従ってあまり御参考にもならぬかと存じますが、兎も角その時の問答の一部をお伝えして置きます。――
問『雨を降らすのと、雷を起すのとでは、いつもその受持が異うのでございますか?』