Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
六十四、主従三人
『俺はこちらでまだ三浦の殿様に一度もお目にかかりませぬが、今日は姫さまのお手引きで、早速日頃の望を協えさせて戴く訳にはまいりますまいか。』
『さァ……。』
私がいささか躊躇って居りますと、指導役のお爺さんが直ちに側から引きとって言われました。――
『それはいと易いことじゃが、わざわざこちらから出掛けずとも、先方からこちらへ来て貰うことに致そう。そうすれば爺やも久しぶりで御夫婦お揃いの場面が見られるというものじゃ。まさか夫婦が揃っても、以前のように人間臭い執着を起しもしまいと思うが、どうじゃその点は請合ってくれるかナ?』
『お爺さまモー大丈夫でございますとも……。』
とうとう良人の方からこの海の修行場へ訪ねて来ることになって了いました。
六十四、主従三人
間もなく良人の姿がすーッと浪打際に現われました。服装その他は不相変でございますが、しばらく見ぬ間に幾らか修行が積んだのか、何所となく身に貫禄がついて居りました。
『近頃は大へんに御無沙汰を致しました。いつも御機嫌で何より結構でございます……。』
『お互にこちらでは別に風邪も引かんのでナ、アハハハハハ。そなたも近頃は大そう若返ったようじゃ……。