Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

あんなことを言ったのは私が重畳悪うございました。これに懲りまして、私は早速情婦と手を切ります……。あの大切な女房に死なれては、私はもうこの世に生きている甲斐がありませぬ……。』

この男は三崎の町人で、年輩は三十四五の分別盛り、それが涙まじりに斯んなことを申すのでございますから、私は可笑しいやら、気の毒やら、全く呆れて了いました。でも折角の依みでございますから、兎も角も家出した女房の行方を探って見ますと、すぐその所在地が判りました。女は油ヶ壺の断崖の上に居りまして、しきりに小石を拾って袂の中に入れて居るのは、矢張り本当に入水するつもりらしいのでございます。そしてしくしく泣きながら、斯んなことを言って居りました。――

『口惜しい口惜しい! 自分の大切な良人をあんな女に寝とられて、何で黙って置けるものか! これから死んで、あの女に憑依いて仇を取ってやるからそう思って居るがよい……。』

平生はちょいちょい私のところへもお詣りに来る、至って温和な、そして顔立もあまり悪くはない女なのでございますのに、嫉妬の為めには斯んなにも精神が狂って、まるきり手がつけられないものになって了うのでございます。