Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

七十六、生木を裂れた男女

』

二人は涙ながらに、しがみついていつまでもいつまでも離れようとしないのでした。

その後男はすっかり心を入れかえ、村人からも羨まるるほど夫婦仲が良くなりました。現在でもその子孫はたしか彼地に栄えて居る筈でございます……。

七十六、生木を裂れた男女

あまり多愛のないお話ばかりつづきましたので、今度は少しばかり複雑ったお話……一つ願掛けのお話を致して見ましょう。この願掛けにはあまり性質の良いのは少うございます。大ていは男に情婦ができて夫婦仲が悪くなり、嫉妬のあまりその情婦を呪い殺す、と言ったのが多いようで、偶には私の所へもそんなのが持ち込まれることもあります。でも私としては、全然そう言った厭らしい祈願にはかかり合わないことにして居ります。呪咀が利く神は、あれは又別で、正しいものではないのでございます。話の種子としては或はその方が面白いか存じませぬが、生憎私の手許には一つもその持ち合わせがございませぬ。私の存じて居りますのは、ただきれいな願掛けのお話ばかりで、あまり面白くもないと思いますが、一つだけ標本として申上げることに致しましょう……。

それは或る鎌倉の旧家に起りました事件で、主人夫婦は漸く五十になるか、ならぬ位の年輩、そして二人の間にたった一人の娘がありました。