Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
十、親子の恩愛
矢張りこれも身魂の因縁とやら申すものでございましょうか……。
それは兎も角も、私は神様から何ぞ望みのものを言えと言われ、いろいろと考え抜いた末にたった一つだけ註文を出しました。
『お爺さま、何うぞ私に一つの御神鏡を授けて戴き度う存じます。私はそれを御神体としてその前で精神統一の修行を致そうと思います。何かの目標がないと、私にはとても神様を拝むような気分になれそうもございませぬ……。』
『それは至極尤もな願いじゃ、直ちにそれを戴いてつかわす。』
お爺さまは快く私の願いを入れ、ちょっとあちらを向いて黙祷されましたが、モー次ぎの瞬間には、白木の台座の附いた、一体の御鏡がお爺さまの掌に載っていました。右の御鏡は早速岩屋の奥の、程よき高さの壁の凹所に据えられ、私の礼拝の最も神聖な目標となりました。それからモー四百余年、私の境涯はその間に幾度も幾度も変りましたが、しかし私は今も尚おその時戴いた御鏡の前で静座黙祷をつづけて居るのでございます。
十、親子の恩愛
参考の為めに少し幽界の修行の模様をききたいと仰っしゃいますか……。宜しうございます。私の存じていることは何なりとお話し致しますが、しかし現界で行るのと格別の相違もございますまい。