Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

あなたの帰幽当時の、あの烈しい狂乱と執着……とても私などの手に負えたものではありませぬ。うっかりしたら、お守役の私までが、あの昂奮の渦の中に引き込まれて、徒らに泣いたり、怨んだりすることになったかも知れませぬ。かたがた私としては態とさし控えて蔭から見守って居る丈にとどめました。結局そうした方があなたの身の為めになったのです……。』

問『では今までただお姿を見せないという丈で、あなた様は私の狂乱の状態を蔭からすっかり御覧になっては居られましたので……。』

答『それはもちろんのことでございます。あなたの一身上の事柄は、現世に居った時のことも、又こちらの世界に移ってからの事も、一切知り抜いて居ります。それが守護霊というものの役目で、あなたの生活は同時に又大体私の生活でもあったのです。私の修行が未熟なばかりに、随分あなたにも苦労をさせました……。』

問『まあ勿体ないお言葉、そんなに仰せられますと私は穴へも入りたい思いがいたします……。それにしてもあなた様は何と仰っしゃる御方で、そしていつ頃の時代に現世にお生れ遊されましたか……。』

答『改めて名告るほどのものではないのですが、斯うした深い因縁の絆で結ばれている上からは、一と通り自分の素性を申上げて置くことに致しましょう。