Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
それは導くべき一少年である。登山の規範とロマンスにあこがれを持った一少年である。彼はこの上もなく陽気な交友関係をそれからつくり上げた。夜あけ前の暗い時に、私はいつも方言の咽喉言――喉よりむしろ肺の言葉で、私にとっては常に山の正しい言語である――によって起される。私が本当に寝台を離れ、着物を着て了う迄は、白髪まじりの頭が、用心深く開かれたドアから、のぞいたり引っこんだりしつづける。我々のザックは前の晩に殆ど準備されてあった。そこで我々は闇の中を歩き出す。近くのスロープを上下すると、足の方では草と百合の新しい湿った匂がし、また夜明け前の風のつめたい戦慄は灰色の光の約束を横切って身動きし、しっとりした衣服の下から睡眠の殿軍を追い払う。私にとっては、アルプスに於ける「短い」一日の思い出は、必ず露にぬれた草や、松の枯葉や、氷の上の濡れたモレイン砂礫の早期の匂いに、先に行く影のような姿から来る、泥炭にいぶされたフェルトやダッフル(一種の粗羅紗)の暗示が、気持悪くなく交ったものに関連している。恰度「大きな」一日の思出が、太陽の照らさぬ氷河から吹く夜風が舌に与える清冽な「石に似た」