Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
四、財布
里では女房が待っている。竈の前で、丸まげに結った頭を向うに向けて、飯をたいている。叩き出した女房ではない、死んだ女房だ。荷ごしらえは出来た。米も味噌も草鞋もウンと減ったので荷は軽い。さア行こうぜ!と立ち上る。そこでボンヤリして「俺は何か忘れたぜえ」といゝ出す。忘れて来たのは山田さんの奥さんの写真機だ。「奥さん、内蔵助平にウンと金が埋めてあるので来年はその金を掘って来るからね。それで写真機を買っておくれや」……毎日、これをくりかえしている内に、秋が深くなった。二日時雨が続いた。三日目の朝、カラリと雲が上ると、後立山の山々には、初雪が輝いている。その朝東京から着いた山田さんの夫妻が、彼の死んだ神さんの弟の案内で座敷牢へ見舞に行くと、彼は襤褸で綯った繩を両手で持ったまゝ死んでいた。義弟は持って来た朝飯を縁側に置いて、手ばなしに泣き出した。そして山田さんに生きている内に見舞に来てくれたら、兄貴は定めし悦んだでしょうが……といった。然し本当に悦んだかどうかは判らない。
四、財布
以上の二つが一つの小説になるものならば、素材の第三はこの「財布」である。
黒部川に落ち込んでいる沢の一つに小舎をかけて、しゝ撃ちの猟師が五人生活している。