Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
一三
それはとにかく、男との最初のランデヴーに横浜へ出かけた夫人は、二千円をバッグへ入れて持って行った。監督だか俳優だかが、これは有難いと思っていると、横浜へ着くなり夫人は自動車をとても贅沢な店へ乗りつけ、目を廻している男の前で、一千円のファーコートを買った。千円や二千円のファーコートはざらにある。目を廻した男も男だが、やがて事実を知って、夫人を実家にかえした旦那様が、夫人の居間や寝室の戸棚を調べると、驚くなかれ税金たった一万円ではないが、洋服が百二十五着、帽子が八十七個、靴が七十八足、靴下が三十ダース(この数字はもちろん正確ではない、いく分大袈裟だろうと思う)という始末である。旦那様は見るも目のけがれとばかりそれを全部夫人の実家へ送りとゞけたが、汝ふたたびこれ等の綺羅を飾り、世人を迷わすことなきようにと、洋服、帽子、靴下には鋏で、靴は斧で、一寸きざみ五分きざみにしてから風呂敷に包んだという。支那にも衣類を裂いたり、小刀で穴をあけたりした男があった。この旦那様も、多少はそんな感でこれを行ったかも知れぬが、何にしても豪勇な話である。
一三
ある席で「キング・オブ・キングス」