Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme

Aozora Bunko

山の湯ところ/″\

◇

山はいゝ、山ほどいゝものはない。出来る人はみな山へ行って貰いたい。また山に入った以上は、多少の無理も忍ばねばならぬ。あるいは無理があるのが登山の魅力の一つであるともいえよう。だがあとから冷静に見て、どうも遭難者の手落が原因だったとしか思われぬような事故は、断然これを避ける工夫をして行かなくてはならない。いつでもそうだが、殊にただ今は人的資材の重要な時だ。僕みたいな登山道の隠居役がこんなことを繰返していう真意は、実にそこにあるのだ。

山の湯ところ/″\

八ガ岳の本沢温泉、蔵王山の遠刈田、青根、黒部の祖母谷、上高地、蒲田等々、考えると、これでも相当方々の山の温泉に行っている。それ等の中で本沢温泉こそは僕が最初に登った山らしい山の温泉なのだが、大きな樅の林の中に板屋根の家屋があったことだけしか印象に残っていない。二十名を越す団体だったので、何か用事を持ち、その方に気をとられていたのかも知れない。

◇

祖母谷は、今はどんな風だろうか。もう二十五年に近い昔のこと、大町から針ノ木を越して劔に登り、池ノ平、猿飛を経て、大黒を越え細野へ出ようという旅の途中で一泊した。