Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme

Aozora Bunko

ある年の夏、友達三人で西石川に泊った。あしたから山へ入ろうという前晩である。風呂に入り、軽く一杯やって床に入ると、大雨がふって来た。こんなにいゝ温泉の出るいゝ宿屋があるのに、俺達は何を好んで櫛風沐雨の生活に身を投じようとするのかと、何とかゴテゴテいい合ったものだが、翌朝の島々行初発電車には、もうニコニコと乗込む我々であった。

◇

妙高温泉と沓掛の星野温泉は、高原の温泉といった方がいゝだろうが、妙なことで印象に残っている。妙高温泉へは初夏の候、高田に講演に行った帰りによったのだが、それ迄両三回スキーに行った時のことを考えると、まるで別の所へ来たように感じられたし、閑散だったからでもあろうが、真実家族的に大事にしてくれた。星野温泉は盛夏、軽井沢に出張して一泊、まだ日の暮れきらぬ内に入浴していると、高原特有の物すごい雷鳴があり、硝子一枚の浴室で素裸になっていた僕は、雷に臍を取られる心配をした。というと変だが、何も着ていないで自然の暴威に立ち向うことが、如何に恐ろしいかを経験し、人間は着物を着ていなくては仕方が無いように馴致された動物だ、ということを、しみじみ感じた。