Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
僕は大きなビルディングで便所を掃除したり、床をこすったりするお婆さん達のくすんだ姿を思い浮かべ、何とはなしに涙ぐましい気持になった。J・M・バリイが日本人だったら、この酒盛をしているお婆さんを主人公に、いゝ脚本を書くだろうという気がした。
だが、これは、大阪人をよく知らぬ僕の誤謬だったかも知れぬ。存外大金持の、而も小金を貸して暮しているという婆さんだったかも知れない。そのような人達が、こんな風に、つゝましく、静かに春をたのしむことが、大阪では比較的多く行われているのだ。
とまれ、春になれば、誰でも戸外に出かける。冬と違って強いて思いをこらし「さアさア皆さん、山野を跋渉しなさい」と放送する必要は更に無い。ほっといても人々は山野に出る。名所や旧蹟は満員となり、汽車や電車は超満員で、酔っぱらいが騒いだり喧嘩が勃発したりする。さればこそ、貯水池の土手に坐っていたお婆さんの気持は尊重すべきであり、人出をさけたルートを考えて歩くハイキングをおすゝめすることも、まんざら無意義ではあるまいと思ったりする。
山に登る理由
山の旅から帰って来ると、どうもあとがよくない。