Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme

Aozora Bunko

大分しっかりしている。底部まで行ってバタンと横に倒れた。スキーを揃え、うまく起き上った。僕達はお嬢さんが上って来るのを待って、一緒に上まで行った。もう誰もいない平坦地には、お父さんが水っぱなをたらして待っていた。お嬢さんはその横まで行って、「パパ、今度は下まで倒れずに行けたわよ」と、如何にもうれしそうに叫んだ。お嬢さんの赤くほてった頬が、白い雪と、白いスウェッターと、白い帽子とに、可愛らしく輝いた。お父さんは、僕達がいなかったら、その頬っぺたにキスしたかも知れぬ。

その翌日、僕達は、僕達だけで温泉宿の裏山へ行ったが、翌々日、僕だけ午後の汽車で発つので、そろって、例のスキー場へ行って見た。丁度お昼前で、あまり人がいない。坂を登りきると、例の平坦地に、あのお父さんが一人で立っている。不相変長外套、鳥打帽子、狐の毛皮といういで立ちだが、写真機はもっていなかった。

僕達の仲間で、このお父さんをよく知っているのが、

「××さん、今日は。お嬢さんは?」というと、

「それが君、どこかへ行って了ったんですよ」という返事である。どこかといっても手前の斜面は一目で見下ろせる、真正面のは急すぎる。