Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
夜半には大町に着く予定であったが、思いの外に雪が深く、斜面に来てもスキーをはいたまゝ膝の上までズブズブと埋ってしまうという始末。二人は無言のまゝラッセルしあいながら、おぼろな雪あかりをたよりに午前三時半頃野口着、駐在所に届けて大町へ、警察署へたちよってから対山館へ着いたのが四時過ぎであった。
◇
時刻が時刻だから、火の気というものは更にない。百瀬氏はとりあえず二人を食堂に招き入れて、ドンドンとストーヴに石炭を投げ込んだ。話を聞くと小屋に残して来た生存者六名中、江口氏は凍傷がひどいので心配だが、他の人々は大丈夫だ。埋った四人はとても助かるまい。が、掘り出すのは容易だろう。とにかく人夫を二十人至急に送ろうということになった。
◇
大町は電気で打たれたように驚いた。八千五百に余る老幼男女が、ひたすらに雪に埋った四名を救い出すことのみを思いつめた。こうなれば暮もない。正月もない。人は黎明の雪を踏んで右に左に飛び交った。警察署長は野口に捜査本部をうつし自ら出張、指揮をとった。署長の命で小笠原森林部長、丸山、遠藤両巡査が現場に向って出発した。