Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
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あくれば昭和三年一月元旦である。空はうらゝかに晴れ渡り、餓鬼から白馬にいたる山々はその秀麗な姿をあらわした。町の人々は、然し、正月を祝うことも忘れていた。
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朝の空気をふるわせて、けたゝましい自動車の号笛が聞えた。松本から貸切りでとんで来た大島山岳部長の自動車である。対山館には「早大山岳部」なる札がはられた。いよいよ対山館が組織的に本部となったのである。
山では五十余名の人夫がスコップを揮って雪を掘った。雪崩の最下部から三十間の巾で五尺掘るのであるが、凍りついた雪のこととて、磐石の如く堅い。作業は思い通りに行かぬ。平村の消防組が三部協力してやったのである。大町の人夫は糧食その他の運搬や、炊事等につとめた。
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対山館では大島部長を中心に、遺族の人々がいろいろと発掘方法を考えた。鉄板を持って行って、その上で焚火をしたら雪がとけるだろうとの案も出た。ポンプで水をかけたらよかろうと考えた遺族もある。山の人々は同情の涙にむせびながら、それ等の方法の全然不可なるを説いた。雪はとけよう。だが、とけた雪は即刻凍ってしまう。