Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
現に、さぐりを入れるために数十本を作って現場に送った長さ二間の鉄のボートが、何の役にも立たぬというではないか。やっとのことで一尺ばかり雪の中に入れたと思うと、今度はもう抜き出すことが出来ぬという始末ではないか……。
◇
一日はかくて暮れ、晩には関で練習中のスキー部の連中が大町にかけつけた。二日からは大雪、それを冒して大町警察署長の一行が現場に向った。山本氏の令兄も行を同じくせられ、自らスコップを握って堅氷を掘って見られたが、何の甲斐もなかった。
発掘方法も相談の上変更し、深さ七尺ずつを三尺おきに溝みたいに掘って見たのである。然し掘る一方雪が降りつむ。スキーの尖端、靴の紐だに現れなかった。
◇
二日には近藤氏を除く六人の生存者が、無理に……まったく追い立てられるようにして、大沢の小屋を離れた。なき四人の体躯を自ら発見せねば、なんの顔あってか里に下ろうとの意気はかたかったが、なだめられ、すゝめられ、涙を流しながら、踏みかためられた雪をあるいて野口まで下り、そこから馬橇で大町へ向った。
如何なる困難に出あうとも、四人のなきがらをリカヴァーせねばおかぬとの志は火と燃えたが、たゝきつけ、圧しつけ、凍りついた雪は頑強にその抵抗を継続した。