Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
海・山・平地……どの旅行にも夏は向かない。
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旅行のシーズンとしての夏の缺点は、暑いことである。寒い所へ旅行すればいゝにきまっているが、例えば東京から北海道へ行くとしても、途中は暑いし、また暑い東京へ帰って来なくてはならず、その時の苦痛は大したものである。殊にトンネルの多い汽車の旅行は、たまったものではない。
大阪にいた時、毎夏信州へ山登りに行った。名古屋から中央線で、木曽の谷へ入って行く景色はいゝが、あすこもトンネルが多く、相当につらい。更に東京から松本までの中央線は、まったく殺人的のトンネルと煤煙である。早く電化してくれないとやり切れない。
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昨年の夏は、二度富士山麓の山中湖へ行った。山梨県ではあるが御殿場から行った方が便利なので、最初は帰りにも御殿場へ出たが、二回目には吉田へ出た。山中湖から富士吉田へ二里、ほこりっぽい路だが高原の風が乗合自動車に吹き込んで、涼しい。それが富士電気軌道で、小沼、谷村と桂川の谷を下りて来ると、一駅ごとに暑さが加り、大月に着いた時には、まったく釜の中にでもいるような気がした。