Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme
」
「それは知っている。――お父つぁんて人もおっ母さんて人も、如才のない、愛想のいゝ人たちだ。――だから家ん中は始終にぎやかだ。」
「そんなことをいってるからものゝ間違いが出来るんだ。」
「どうして? ――若宮君は、あの通りの、世間でも評判の親おもいの人なんじゃァないか? ――そうされゝば、人情で、誰だってそうするのが当りまえかも知れないけど、そういっても、だから、お父つぁんやおっ母さんのほうでも若宮君を大切にした。――若宮君のことっていうと二人とも夢中だった。――それは、まァ、麒麟児といわれた子役のむかしから手塩にかけて、あれだけの立派な役者にしたことを思えば、したほうにしたってされたほうにしたってうれしいわけだ。……お互の間のまるく行かないってはずはないじゃァないか。」
「まるく行ってるものが、じゃァ、何だってあとでべつになったんだ。」
「べつに?」
「あとで、若宮、おやじやおふくろとわかれて別に一人で家をもったじゃァねえか。」
「もったさ。――もったけど、それは……」
「じゃァ、もう一つ、それほど大切におもってるせがれに何だっていつまで女房をもたせなかったんだ?」