Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
カナゴキはすなわちカネイナコキの略称であって、那須その他でセンバと謂ったものと同じである。そうかと思うと越後などは、もう今から百三四十年も前に、すでにこのセンバを使っていた村もあった。『温故之栞』(巻十)にはこの国の水田生産のことを記して、以前は割竹五六本を木の台に立て列ね、稲を七八茎ずつ挟んで扱いた故に、丈夫一日の辛苦をもって僅かに百五十把の籾を扱くのみであった。寛政の初年に阿波からセンバという機械を直江津に持来る。一日に千把の稲を扱く故にこの名があった。本名を何というか知らぬと謂っている。東北地方では福島県南部の、県道交叉点に臨んだ一旅亭で、その越後から同じ機械を、売りに来ている行商人の一群に出会って、詳しい問答をしてみたのは、つい今から十五六年前のことであった(『郷土研究』四巻八号)。すなわち運賃雑用のあまりに多くかかる販売法であったために、まだこの頃までこの地方へは普及し得なかったのである。鹿児島県の種子島などでも、その少し以前に旅行をした草野教授の話では、まだ割竹の稲扱をもって数茎ずつの籾を落し、その籾を臼に入れて脱から精白までを一続きにしていた。