Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme

Aozora Bunko

三

と、父の常胤も、とうとう承知してしまった。

兄弟は、雀躍りせんばかり欣んで、やがて、頼朝の密使、藤九郎盛長を導いて来た。

盛長は、胤頼の館で、すっかり装束を着更えて出た。――意地わるい眼で、その言語動作を見つめていた常胤も、

(よい侍だ)

と、心で呟いたふうだった。

「初めてお目通りを得ます。自分事は、源家の棟梁故義朝様のご嫡男、頼朝様の家人でござりまして、藤九郎盛長と申します者」

と彼の慇懃を、

「左様であるか。儂が、千葉介……」

と、一方は、至ってあっさりと受ける。

藤九郎は、一目見て、千葉介が気さくな老人であるのを知った。年は、当年六十四と、さっき胤頼から聞いてもいた。

味方の北条時政などは、まだ老人というほどな老境でもないせいか、多分に垢ぬけない所だの、我意我説だの、私慾なども旺盛で、よく若い者と衝突はするし、俗にいうかどの取れない所が多分にあるが――この老人は鶴のようだ。それでいて、頬には赤味をたたえている。にこやかで、感じがいい。

「京都へ参られた事があるかの。京都はよいな」

そんな話からはじめた。

合戦がどうの、源氏がどうの、平家が――とそんな噂はにも出さないのである。