Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
私は俄盲目で感が悪いが、これは間違いありません。今朝起きてみると、どこへ行ったかいつもの声も足音も聞えず、手探りで捜してみると、雨戸が一枚明けっ放しになっておりました」
太助の話はこんな事で、一向取止めもありませんが、お品の行方知れずになったのは、夜中過ぎ、どうかしたら暁方ではあるまいかと思われるのでした。
平次とガラッ八は、一応太助の家の内外を見せて貰いましたが、何の手掛りもありません。路地には足跡一つあるわけでなく、雨戸は間違いもなく中から開けたもので、強いて言えば、今までさらわれた女達のように、あの賢いお品も、フラフラと戸を開けて、怪しの物に操られるように、フラフラと出て行ったという外には、見当も付けようがありません。
「帰ろうか」
二人は徳右衛門町の河岸の端を一つ目橋の方へ辿りました。
「おや、何でしょう、親分」
ガラッ八は立止って橋の欄干を指しております。
「ウーム」
平次も唸りました。橋の欄干の手前寄りに消炭でかなり大きく、銭の形が一つ描いてあるのです。
「お静さんが花嫁に化けた時やった術だ、――これは間違いもなくお品さんですぜ」
ガラッ八は心得顔に一つ目の橋を渡って両国の方へ早走りになります。