Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

六

貧乏摺れのした女房らしい諦観です。

「お前も給料無しで働いたそうじゃないか」

「その代り、役得もありましたよ」

「はて?」

「お神さんからお金を借りたい人は、みんな私ども夫婦の御機嫌をとったんですもの」

「なるほどな」

平次は妙な覚りを開きました。

六

養い娘のお夏も、一応二階の部屋へ呼込まれましたが、これは何を訊いても、最初は筋の通った事を一つも言いません。

「専次と一緒になるのを、どうしてもお神さんが聴かなかったそうじゃないか」

「…………」

「どうするつもりだったえ」

「この家を出るつもりでした」

僅かにあげた顔には、娘らしい純情が輝きます。こんなのが、思い詰めたら、心中もするだろうし、人を殺す気になるかも知れません。

それにしても、不思議に人を牽付ける美しさでした。大して綺麗というのではありませんが、――これは多分、娘の純情的な性格からくる美しさかも知れません。

「お神さんが殺されていた時は、どこに居たんだ」

「少し気分が悪くて、横になっていました。階下の、私の部屋で――」

「灯は?」

「点けません」

「専次のことで、もう一度相談するつもりで、二階へ行ったはずだが――」