Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
「親分、聞きなすったか」
「何だ、騒々しい」
銭形平次の家へ飛込んで来た子分のガラッ八は、芥子玉絞りの手拭を鷲掴みに月代から鼻の頭へかけて滴る汗を拭いております。
「大変な事がありますぜ」
「また、清姫が安珍を追っかけて、日高川で蛇になった――てな話だろう」
「冗談じゃねえ、今日のはもっとイキのいい話だ。何しろ、仏様のねえお葬いを出したのはお江戸開府以来だろうって評判ですぜ」
「何? 仏様のねえ葬い、――どこにそんな事があった」
平次もツイ乗出しました。日頃は話半分にしか聞かれないガラッ八ですが、今日持って来たネタには、何かしら人の好奇心をそそる重大性がありそうです。
「近江屋の小町娘、――お雛が行方知れずになった話はお聞きでしょう」
「それは聞いた。観音様へお詣りに行った帰り、供をしていた女中の眼の前で行方知れずになったという話だろう」
「それが、海河に落ちて死んだか、人手にかかったか、三日目から毎晩のように化けて出たって言いますぜ」
「怪談話なんか聞いてやしねえ、馬鹿野郎」
「馬鹿野郎は情けねえな、それがみんな本当の話なんだから恐ろしい」
「それで、仏様のない葬いを出したって筋だろう。