Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
八
お柳は嵩にかかって言い募ります。平次はこの女の口から、まだまだいろいろの事が引出せそうな気がしました。
「いや、お辰は主人の生きているのを知らなかったはずだ。匕首を用意する暇はない」
「いえいえ、お辰は勘次に聞いたに違いありません。畜生ッ、何てイヤな奴だろう」
「勘次も知ってるはずはない」
「私が教えましたよ。そっと、あの子にだけ、――それを勘次の野郎、お辰に吹き込んだに違いありません」
「なるほど、勘次なら孫右衛門を刺す隙があったはずだ。八」
「ヘエ――」
チラリと目配せ、八五郎はそのまま飛んで行きました。
八
平次はこの時ほど厭な思いをしたことはありません。大徳屋の家の中で、一番可愛らしい少年勘次を主殺しの罪で縛るのは、平次にとっては、全く我慢の出来ないことだったのです。
主殺しは動機の如何に拘わらず、磔刑の極刑に処せられるのが、その当時の不文法でした。平次はそのまま逃出したい衝動に悩みながら、眼をつぶって事の成行きを待ちました。
「親分、つれて来ました」
眼を開くと、ガラッ八は勘次の肩先を押えるように、畳の上に引据えます。
「勘次、とんでもねえ事をしてくれたなア」