Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

七

七

「お嬢様ッ」

井戸端で、半裸体の娘を抱き上げた時は、半蔵も、さすがに酔いが醒めてしまいました。この悩ましい情景は、呑んだくれの半蔵にとっても、あまりに、痛々しい刺戟だったのです。

「あ、半蔵か」

僅かに正気付いた娘は、何より先に、浅ましい自分の身体を見廻しました。が、いつの間に掛けたか紺の匂いのする絆纏が、荒縄の上から引っ掛けられて、裾へは紅い腰巻が、月の光に、黒ずんだ濡れ色を見せております。

振り仰ぐと、抱き上げた方の半蔵が、掛け守袋一つの逞しい裸体になり、白木綿の腹巻の後ろ帯に、木刀を叩き込んで腰を切ろうとしているところでした。

「お嬢様、気が付きましたか。何て、虐ったらしい事をしやがるんだろう――」

半蔵はそう言いながら、絆纏に包んだ処女を、宝物のように引っ抱えて、裏口の方へ足を移しました。

「半蔵、どこへ行くの?」

浪江は、寒さにわななきながらも、月の光に半蔵の行手をすかします。

「知れた事でさア、こんな屋敷をオン出て、安心なところへ隠してあげますよ」

「それはいけないよ半蔵、私が居なくなったら、父上様がどう遊ばすだろう。どんな事があったって私は、ここを動かない」