Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「遊び人風の男は存じませんが、頬に傷のある堅気の男なら通りましたよ」

「えッ、それは誰で、どこへ行った」

ガラッ八がたまり兼ねて口を出します。

「あれは親分方の探しなさるような男じゃありません。本銀町でも名うての堅い人間で、あんまり堅いんで、融通がきかないというものか、塀隣の巴屋さんと年中喧嘩している男ですよ」

「誰だい、その男は」

「桶屋の甚三郎と言や、日本橋で知らない者のない因業な片意地な人間ですぜ」

「あれが桶甚か」

平次も驚きました。あの南辻橋の袂に居た遊び人風の男と、若いくせに、頑固一徹で通っている桶甚と、同じ人間とはどうしても思えませんが、船頭に言われてみると、なるほど思い当る事がないではありません。

「桶甚と巴屋はそんなに仲が悪いのか」

平次は重ねて訊ねました。

「悪いの悪くないのって、何しろ一方はあの通り片意地で、桶屋といっても、早桶ばかり拵えてる人間でしょう。巴屋さんの方はあの通り派手で、金持で、施しが好きで、江戸中に人気のある人だから、土台反が合いません。塀隣のくせに、年中啀み合いの喧嘩でさ、もっとも巴屋さんが金に飽かして桶甚の家屋敷を買おうとしても、旋毛を曲げて動かないのが喧嘩の因なんだそうで――」