Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
の高札を建てさせました。
高札の文句や寸法には自ずから型があります。「江戸、花川戸質両替渡世、近江屋治兵衛娘雛、当年十八歳、右尋ね当て無事親許に引渡されし方には、御礼として金一千両相違なく差上ぐべく候也」と書いて、あとは人相やら、手続きやらを細々と認めてあります。
江戸中は、しばらくこの噂で持ちっきり、三日経たないうちに、お雛が五六十人も現れそうな勢いでしたが、さて実際にそうは行かないものとみえて、治兵衛夫婦の気組みや予想を裏切って、心当りを言って出る者は一人もありません。
ことに弱ったのは、銭形の平次でした。三日と請合った日は今日限りとなりましたが、どこへどう隠されたか、お雛の在処を嗅ぎ出す手掛りも、その誘拐の悪者の当ても付かないのです。
近江屋は質屋渡世で、ずいぶん客に泣かれもし商売の事では頑固なことも言いましたが、近頃は身上が出来て、三文質は取りませんから、そんなに怨まれる筋の罪は作った覚えもありません。
治兵衛はまことに好人物の旦那、お豊は若い時は評判の美人だったと言いますが、ここへ嫁入りしてもう二十年にもなります、その上近い親類というものがないのですから、財産争いする相手も見付からない有様です。