Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
五
小間物屋の言い草は大同小異で、この上当ってみようという気も挫けてしまいます。
がっかりして戻って来ると、
「お客様ですよ、親分」
雇い婆さんが、気を揉んで外に立っております。
「どんな人だ」
「女の人ですよ」
「女? おかしいなア」
「親分もお安くねえぜ、奢らなくちゃいけませんよ」
「馬鹿な事を言えッ」
五
女客というのは、二十四五の中年増、眉の跡も青々とした、凄いほどの美人ですが、小弁慶の単衣はひどく潮垂れて世帯くずしの繻子の帯にも少しばかり山が入っております。
「銭形の親分でいらっしゃいましたか、御免下さいまし、図々しいようですが、上がり込んで御待ち申しておりました」
歯切れの良い調子、莞爾すると、漆黒の歯がチラリと覗いて、啖呵の切れそうな唇が、滅法婀娜めいて見えます。
「ちょいと留守にして、済まなかったが、お前さんはどちらからお出なすった」
平次は自分の家ながら妙に迎えられるような心持で上がり込んで、上がり框の女の前へ煙草盆と座蒲団を持ち出します。
「外じゃございません、――あの柳橋で殺された吉原芸妓の奴――あの妓のことにつきまして、親分に伺いたいことがございます」