Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「へッ、三つ指で、――御待ち下さいまし――と来やがった、親分、悪い心地はしないネ」

「馬鹿」

平次は睨む真似をして見せます。

道々、三好屋の隠居が話してくれましたが、この梅屋敷というのは、三千五百石取の大旗本、本郷丸山の荻野左仲の別荘で、住んでいるのは、愛妾お紋の方。左仲との中に、男の子を一人生みましたが、仔細あって左仲に疎まれ、巣鴨の梅屋敷に遠ざけられて、女中を相手に豪勢な暮しをしているのでした。

二

「まア三好屋さん、御骨折でしたねえ、平次親分、よくいらっしゃいました」

お紋は下へも置かぬ待遇でした。年の頃二十七八、脂の乗り切った美しさで、被布も着ず、裾も引かず、縞物を町家風に着た無造作な身扮のうちに、愛嬌と魅力がこぼれて、誰にでも好感を持たせずにはおかない年増振りです。

「初めて御目にかかります。あっしは神田の平次で、お言葉に甘えて、とんだお邪魔をいたします」

「まア、そんな改まった事をおっしゃらずに、遠縁の姪の家へでも来たつもりで、ゆっくりくつろいで下さい。八五郎さんもまア、真っ四角に坐ったりして、ホ、ホ、ホ、ホ」

「ヘエ――」

気が付いてみると、ガラッ八の狭い袷から、膝っ小僧が喰み出しているのです。