Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

「幸い私も、近いうちに、丸山町に帰ることになりました。それもこれも、親分の御骨折の御蔭、今晩はどうぞ御ゆっくり召し上がって下さい」

本当に下にも置かぬ待遇でした。

平次はいつもになく落着き払って杯を挙げ、宵のうちから大分ろれつが怪しくなっております。

「御新造、高木銀次郎はここへ来たことがあるでしょうか」

「とんでもない、あんな奴を寄せ付けることじゃありません」

「それにしちゃ、雨戸を開けて迷いもせずにあっしの泊っている部屋へ来たのは変ですね」

「え?」

「変と言えば、変なことだらけですよ、御新造」

平次はもう眼の色さえ怪しくなっております。

「何が変でしょう」

凝と平次を見詰めた女の眼、――一と息に猪口をあけると、平次の手に持たせて銚子を上げます。

「足跡も変でしょう。人の家へ泥棒に入るのにわざわざ泥を付けた草鞋を履かなくたっていいわけだ。あの晩は雨なんか降っちゃいなかったでしょう」

「…………」

「草鞋を植込みに捨てたのに、庭に足跡がないのは可怪しいと思いませんか。曲者は縁側から草鞋を植込みに投り込んで、そっと元の廊下を引返し、裏から植惣へ行って植惣の主人を殺し、また引返してこの庭へ入って、大根畑へ短刀を隠して行ったことになりますね、ゲープ」