Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
その晩真夜中過ぎ――。
「親分さん、た、大変です、すぐ願います」
息せき切って戸を叩く者があります。
「誰だい」
うら淋しい心持で、親分の家へ泊り込んだ八五郎は、居候並みに入口の二畳に敷いた床の中から鎌首をもたげました。
「大徳屋から参りました、大変なことが――」
「どうしたッてんだ」
てっきり遺産争いが嵩じて、妾三人が掴み合いでも始めたのだろう――そんな図を頭の中に描きながら、ガラッ八はまだ床の中でモゾモゾしておりました。
「旦那が殺されたんです」
「何?」
「匕首で突き殺されたんです」
「何だと? どこの旦那が殺されたんだ」
「大徳屋の主人孫右衛門で」
「馬鹿野郎、人の寝入端を起しやがって、とんでもねえ野郎だ。大徳屋の主人なら、昨夜のうちに卒中で死んで、今晩はお通夜じゃないか。棺の中に居る仏様を、匕首で突き殺す奴があるものか」
どこかの悪童の悪戯と合点して、ガラッ八はポンポン言いながら床の中へもぐり込みました。
「本当ですよ、親分、旦那が殺されたんですよ」
外から叩く拳は少しも休みません。
「手前は誰だ」
平次も奥から起きて来ました。
「大徳屋の奉公人ですよ、勘次というんで」